セレンゲティ国立公園のとある水場での出来事でした。
喉の渇いたシマウマ達が恐る恐る水場に近づきます。段々気が緩み、
その行動は大胆になって行きます。
最初の臆病はなんのその、殆ど中心部まで肩まで水に浸かりながら
飲み始めます。
対岸で見ている我々にはワニの目玉が一杯見えます。
でもシマウマはまだ小さな仔供達までもがその渇きに耐えられず
水の魅力に取りつかれていきます。
その時でした。
ちょっとでも音がすると神経質な彼等は一斉に水辺から離れます。
そしてその危険度を確認もせず全速力で駆け出します。
そのためヌーの川渡りではないですが、明らかに先方に障害物が
あろうと猪突猛進します。
大量の雨が降ったために水場の淵の土がざっくりえぐられて
大きな溝が出来ていました。
案の定慌てた数等がその溝に落ち込みました、無事這いでたものも
いましたが、最後に残った1頭がいました。
一頻り立ち上がろうともがきますが、起き上がれません。やがて顔を
泥壁にもたせて大きく溜息をつきました。
そして彼は息絶えてしまいました・・・。本の数分の出来事でした。
生命の終焉ってこんな一瞬の事なんですね~。儚いです。