あ~そう言えば、日本以外でも野生動物達が人々の住む町の直ぐ
近くまでやって来ているそうですね。
カリフォルニア大学の歴史、地理、環境学の準教授が、そういった
野生動物と人間の関わりを The Conversation に発表しています。
ニューヨークでは、マンハッタンやクイーンズ区の街中にコヨーテが
練り歩いてニュースになったり、森から本の数km離れたところにオオ・
ヤマネコ、クマ等ひょっこり顔を見せたり、マウンテン・ライオン(ピューマ
=イエローストーンでは皮肉にも最近やっと、その姿を自然の中で観
察出来るようになって来たのに)が町の周辺部をうろちょろしたりして
いるそうです。
ワニ達も一度は絶滅の危機に追い込まれていましたが、今ではマイ
アミからメンフィスまで広範囲の小川や湖に棲息しており、ビーバー
やアシカもその数を劇的に増やしているそうです。
つまり野生動物が出て来て危ないという単純な話ではなく、年々増加
している点。そしてこういった野生動物の出現に対して、市や州の対応
は余り成功していない事が問題だ・・・と。
元々野生動物の生活圏を切り開いて作ったのが都市。人間の住む
場所と動物の住む場所をはっきりと区別出来るという考え、動物は
公園や保護区だけで棲息すべしという考えを改めるべきなのかもし
れませんと。
日本では人間にとっての邪魔者・害獣は消えろと即、狩猟の対象
として残念な事に討ち捕ってしまう傾向にあります。狭い国土故の、
苦しい解決策かもしれませんが、動物達にとって必要なのは生活圏
ですね。
保護された自然地区や、遠く離れたジャングルの奥地である必要は
なく、町には簡単に手に入る餌や水と言った十分な生活の資源がある
ので、動物達は寄って来て生活を始め、そしてアメリカの都市部は、
それを提供しているという訳です。無論日本でも全く同じ事ですね。
食パン1斤よりも大きな動物は兎に角危ない、という間違った考え方、
勿論野生の動物とは適切な距離を取り、子供やペットが巻き込まれ
ないようにちゃんと注意を払はないとなりませんが・・・。
過日も世界で人間の一番の脅威は蚊と言う科学的調査結果が発表
されていましたが、アメリカでは蜂だそうで、その次は何と犬だそうです。
更にクモ、蛇、サソリ、ムカデ、ネズミと続くそうです。
それなのに害が見受けられないコヨーテは、適切な棲息地へと多大
な労力と金額を掛けて移動させられるという皮肉な事実。
即ち現在は、人間と野生動物との正しい規則がちゃんと整備されて
おらず、経済的にも無駄が多く、科学的にも根拠がなく、今後続けて
行く事が出来ない、そんな野生動物のマネージメント体制だと・・・。
非常に興味のある論文です。原文はこちら!
アフリカの公園近辺の野生動物との共生、更には、日本の村里に
現れるインシシやシカにはどうやって当て嵌めて対処して行くのが
良いのか、そろそろじっくり考え直す時ですね。
写真は、イボイノシシ。オスは繁殖期以外は滅多に家族と一緒に
いないそうですが・・・。